この講座では、AIを開発・運用する際のセキュリティについて学習します。近年発展するAI技術によってもたらされるサイバー攻撃の脅威や、サイバー戦争がAI同士によって行われるという未来の展望、さらにサイバーと物理世界が結びついたハイブリッド戦争や宇宙空間で用いられるAI技術といったところまでも解説します。
この講座を通じて、セキュリティを考慮したAI開発について理解しましょう。
・AIを導入する事業企画を検討する事業推進リーダー
・AIを使ったシステム設計を行うシステムエンジニア
・AI開発の担当社員およびその実務管理者
・新しいテクノロジーの習得を通じてキャリア形成を加速させたい中堅社員
・AIが役立つ可能性のあるビジネスインテリジェンスまたはデータ分析の業務に携わるデータサイエンティスト・アナリスト
・ビジネスにおけるAI活用の進展を目の当たりにして、キャリアアップを真剣に考える方
第1講では、AIのセキュリティの重要性について扱います。来たるSociety5.0の時代においてどのようなプロセスでイノベーションが生まれるのかについてや、イノベーションが起きて生まれた技術によってどのような脅威がもたらされるかということについて解説いたします。また、そのような中で政府の成長戦略を読むことの意義についてもご説明します。
第4講では、AIの防御とハイブリッド戦争がテーマとなります。ロシアによるクリミア併合がもたらした国家の安全保障に関するパラダイムシフトを解説したのち、宇宙空間で用いられるAI技術やサイバー攻撃の脅威ついて解説していきます。また、人工知能と関連の深い人間の認知の仕組みへのハッキングも掘り下げて解説いたします。
第2講では、AIに対するサイバー攻撃について解説いたします。AI情報処理システムの仕組みとその脆弱性について解説したのち、実際の攻撃例を挙げて身の回りでどのような危険が起こりうるかということをご説明します。それらを踏まえ、将来のサイバー攻撃と防御がAI同士によって行われるようになるという予想についてお話ししていきます。
最終講となる第5講では、AI開発におけるセキュリティ問題・プライバシー問題について解説いたします。2016年のアメリカ大統領選においてビッグデータの活用によって効率的な選挙キャンペーンを行った企業の例や日米欧を含めた世界的なプライバシー規制強化の流れについて見たのち、ゼロトラストやサイバーレジリエンスといったセキュリティ上の概念についてご説明します。そしてそれらを踏まえた上でDevSecOpsやMLOpsなど、セキュリティを考慮したAI開発の在り方についてお話しすることで、講座の総括をいたします。
第3講は、現代のサイバー攻撃について扱います。世界最初のサイバー兵器と言われるStuxnetや、未知の脆弱性を突いたサイバー攻撃であるゼロデイ攻撃を皮切りに、有害なソフトウェアの一種、WannaCryなどの国内外のサイバー攻撃の事例や、サイバーと物理世界が結びついたハイブリット戦争といった内容を解説していきます。