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デジタルマーケティング分析実践コース

この講座でできること

マーケティングを成功させるためには、利用可能なツールの中から最も適切なものを選び出し、データに基づく意思決定と、競争優位を獲得するためのインテリジェンス(ビジネス上の示唆)が必要になります。
このコースでは、データドリブンなマーケティングへのアプローチについて、その原理と戦略、実社会での応用について学びます。
また、実践的なツールと技術を用いて、顧客やその購買意思決定に関するインサイトを得ていきます。
さらに、マーケティングや製品に関する意思決定の指針として、顧客生涯価値(LTV)の活用方法を学び、イノベーティブなマーケティング・アナリティクス(マーケティング分析)を実現するための四つのステップについても学習します。

このコースを終える頃には、マーケティングのフレームワーク、応用例、戦略を活用して、ROIを最適化しながら、顧客ライフサイクルを通じた効果的なマーケティング戦略を策定できるようになるでしょう。
コース修了後に獲得が期待されるスキル:
・アナリティクス(分析)に基づくマーケティング上の意思決定
・マーケティングのROIを最適化するための分析ツール、モデル、フレームワークの活用
・分析と実験の活用による競争優位性の獲得
・顧客獲得・顧客開発・顧客維持のためのマーケティング戦略立案
・組織における革新的なマーケティング・アナリティクス施策の創出

対象者

このプログラムは、積極的なデータ活用とデータドリブンな意思決定を行いたいすべての層に対応しています。

【マーケティング部門】

・ROIを最大・最適化を図るための戦略や方法が知りたいマネージャー
・セグメンテーションから各顧客への商品PR方法まで、データドリブンに行いたい担当者


【商品企画部門】

・データに基づく企画開発・改善サイクルを定着させ、収益性を高めたいマネージャー
・自社商品およびサービスの魅力を、顧客データを元に細分化・ランキング化して、改善や次の商品企画のインサイトを得たい担当者


【営業部門】

・営業戦略の決定や効果検証を、よりデータドリブンな方法で行いたいマネージャー
・顧客データの分析結果をもとに、各顧客に最適な商品を選定したい担当者


【その他、データをより活用したいビジネスパーソン】

学習内容

第1講:マーケティング・アナリティクス入門 ーデータに秘められた力

マーケティング・アナリティクスとは何か,そのユースケースや導入の手順について学びます。また、顧客獲得から顧客開発、顧客維持に至るまで、顧客ライフサイクルの全体を通して、ある顧客が企業にとってどれほどの価値があるのか「顧客生涯価値(LTV)」を使って判定していきます。

第2講:マーケティング・アナリティクスのための予測モデリング

マーケティング・アナリティクスの中で最も発展しており、現代のビジネスインテリジェンスの基礎にもなっている分野、予測モデリングについて、2種類の基本的な回帰モデルの実行方法と、マーケティングインサイトを得るために予測モデルを構築する方法について学びます。

第3講:顧客セグメンテーションとターゲティング

因子分析について深堀りしていきます。これは、マーケティングリサーチ、顧客セグメンテーション、ターゲティングに活用できる汎用的なツールです。Charles SchwabとBooking.comの二つのケーススタディを並行して考えることで、顧客セグメンテーションマップの作成、コア顧客に関するインサイト獲得、マーケティング戦略の土台作りに因子分析を活用する方法を学びます。

第4講:パーソナライズド・ターゲティングと顧客獲得

ビッグデータを活用して、マーケティング・アナリティクスをターゲティングとパーソナライゼーションに応用していきます。モバイル端末からのリアルタイムの位置情報をターゲティングに取り入れ、ターゲティングとレコメンデーションシステムを構築していきます。

第5講:プライシング

プライシングの方法や理想的な価格の探し方について説明します。テック系スタートアップ企業で収集されたデータを用いて、プライシングのための調査方法についてベストプラクティスを紹介します。この手法は、特に商品開発に有効です。

第6講:マーケティングの実験

マーケティング結果測定のための重要なツールであるA/Bテスト、すなわち実験について学びます。デジタル広告のケーススタディを通して、A/Bテストの設計から実装、評価まで、段階を追って説明していきます。このケーススタディでは、実験を行う際に考慮すべき課題を掘り下げ、自分でA/Bテストを設計できるように準備を進めます。

第7講:デジタル広告

デジタル広告について、支払方法の種類、プログラマティック広告、オークション、品質スコアなど、重要な概念を説明します。また、実際のデジタル広告キャンペーンの事例を用いて、顧客セグメントごとにどの広告が効果的かを検証していきます。それによってマーケティングコミュニケーションの体験を個人単位でカスタマイズするに当たり、直面するであろう課題について学びます。

第8講:マーケティング・アナリティクスの戦略的展望

マーケティング・アナリティクス施策を成功させるための秘訣を学びます。データセキュリティやプライバシーに関するベストプラクティスをお伝えするとともに、マーケティング・アナリティクスの限界として、プロジェクトを管理する上での落とし穴や、それを回避するための戦略についてお伝えします。

講師の紹介

ZSOLT KATONA

ZSOLT KATONA

カリフォルニア大学バークレー校ハース・スクール・オブ・ビジネス 准教授

マーケティング戦略およびソーシャルメディアを専門とする。
母国ハンガリーのエトヴェシュ大学にて博士号(情報科学)を取得。その後フランスのINSEADにて博士号(マーケティング学)を取得。
主にオンラインマーケティング戦略、オンラインネットワーク、ソーシャルメディアに焦点を当てた研究を行う。
また、日々進化を遂げるインターネットの新技術をいかにして企業が活用し取り入れていくかについても研究を行っている。
研究成果は、Management Sci.、Marketing Sci.、J. Consum. Res.、J. Mark. Res.、J. Appl. Probab. など著名な学術雑誌に掲載されている。
他にも、Bloomberg Business News や U.S National Public Radio においても紹介された。
Autodesk、IBM、KeloraSystems、Singtel、Telkomsel、Vodafoneにてコンサル業務を歴任。

PRZEMYSLAW JEZIORSKI

PRZEMYSLAW JEZIORSKI

カリフォルニア大学バークレー校ハース・スクール・オブ・ビジネス 准教授

ハース・スクール・オブ・ビジネスのマーケティング担当の准教授。10年以上にわたってMBAプログラムの教鞭をとっており、バークレー校MBAにおいて、ターゲティング、解約管理、因果関係分析、機械学習、実験デザインなど、マーケティング分析の選択科目を開発した。バークレー校以前は、ジョンズ・ホプキンス大学で経済学の助教授を務めていた他、シンガポール国立大学の上級研究員、Microsoft Researchの客員研究員も務めた。
研究領域は、発展途上国におけるデジタルマーケティングやフィンテックのイノベーション、M&Aが対象である。ユニリーバ、マスターカード、Microsoft、Tigo Tanzania、Fino Bank、その他多くの民間機関との研究プロジェクトに携わっている。Management Science誌の副編集長、Marketing Science誌の編集委員を務める。最近の論文として、Marketing Science誌に掲載された"Skimming from Bottom: Empirical Evidence of Adverse Selection When Poaching Customers"や、Management Science誌に掲載された"Advertiser Prominence Effects in Search Advertising"がある。
彼はスタンフォード大学ビジネススクールで経済政策分析の博士号、アリゾナ大学で数学と経済学の修士号、ワルシャワ経済学校で定量的手法と情報システムの修士号と学士号を取得した。

CLAYTON R. CRITCHER

CLAYTON R. CRITCHER

カリフォルニア大学バークレー校ハース・スクール・オブ・ビジネス 教授

2010年よりハース・スクール・オブ・ビジネスで教鞭をとっている教授であり、現在はハースの行動科学研究とイノベーションの拠点であるハース行動ラボのディレクターを務めている。社会心理学者であり、ハースのマーケティング博士プログラムの責任者として、心理学、マーケティング、行動経済学の結節点で新たなインサイトを得るための実験を行っている。
彼は自身の研究とその応用について、マーケティング研究者や実務家を対象に、世界中で数十回の招待講演を行っている。彼の研究は心理学や経済学の一流誌に掲載されており、また、その指導が評価され、大学全体や国際的な賞も受賞しています。研究は、ニューヨークタイムズ、ウォールストリートジャーナル、タイム、フォーブスのほか、数多くの書籍やメディアでも取り上げられている。
ハースでは、学部およびMBAの選択科目として消費者行動のクラスを担当し、その後、MBAの全入学生が履修するマーケティングのコアクラスも担当した。
実験社会心理学会のフェローであり、この分野の主要誌であるJournal of Personality and Social Psychologyの副編集長を務めている。コーネル大学で社会心理学と人格心理学の博士号を、イェール大学で心理学の学士号を取得した。