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デジタル推進リーダー養成コース

この講座でできること

データサイエンスのツールとフレームワーク、ITマネジメント、そしてマーケティングを組み合わせて、デジタルトランスフォーメーションの思想的リーダーのトップから学ぶことができます。

Berkeley Executive Educations が提供するデジタルトランスフォーメーションプログラムには、ビジネスを変革するためにデジタルテクノロジーとデータ管理の実践の機会について学びたいという強い希望以外に、参加への条件はありません。プログラムが8つのモジュールを進んでいくなかで、小売業とヘルスケアの例を用いたストーリーで、これら2つの非常に異なる業界がデータ、テクノロジー、および人間を中心に結束することでどのように便益を得られるのかをお見せします。

鍵となる機会を見極める
課題をデジタルソリューションの最適な機会として認識し、捉えなおす

組織の変革をマネジメントする
データ、テクノロジー、人間、処理過程を活用して、組織に測定可能で意義ある変化をもたらす

リーダーシップに将来性を持たせる
プライバシーやデータ保護など、デジタルビジネスを取り巻く法的および倫理的規定をナビゲートする

対象者

このオンラインプログラムは、ディスラプションを通じてビジネスユニットや組織をリードするための戦略を必要としている、中堅から上級職のマネージャーの方向けに設計されています。新しいアイデアを取り入れ、競合他社に後れを取らず、人材・データ・テクノロジーを連携させることについて、より革新的であるよう努めるリーダーたちこそが、このコースにもっともふさわしい受講者といえるでしょう。参加者は、各職務部門のリーダー、ビジネスユニットや地域の責任者、または総括経営責任者かもしれません。すべての業界が何かしらのディスラプションに対して脆弱です。つまり、あらゆる業界がこの実践的な経験から利益を得られるということなのです。このプログラムは、参加者が自分の役割や責任に適したレベルでの課題へのアクションプランを作成する、キャップストーン・プロジェクトとともに完了します。

学習内容

第1講:イントロダクションと概要

顧客体験を最適化するために、オンライン小売業者はどのようにデータ分析結果や、提案エンジンのようなデータ駆動型アルゴリズムを活用しているかを学びます。
ある有名な世界最大の海運会社が、どのように所有するプラットフォームを有効活用し、ソーシャルメディアをターゲットに影響力を広げていったのかについても学びます。
最後に受講生の皆さんには、デジタル・トランスフォーメーションを成功させた組織を1つ探し、その組織が実行した活動のうち皆様が所属する組織で一番効果的に推進できるものは何なのか、熟考していただきます。

第5講:デジタル世界の経済学

パーソナライズド・プライシングや価格差別などの価格設定に関する問題について掘り下げます。
データを参考にして継続的に価格を調整する手法である、ダイナミック・プライシングについて学びます。
デジタル商品とサブスクリプション・エコノミーについても検討します。
この週の後半では、企業がデジタルの世界で使用するさまざまなビジネスモデルを理解するために特に重要な2つの分野について学びます。

ネットワーク効果:製品やサービスの多くは、同じ製品を多くの人が使えば使うほどその価値が高まるという現象
市場の二面性

第2講:DXのチャンス

A/Bテストの例を挙げながらデジタル・アドバタイズメントの有効性を評価します。
サービスのプロセスとネットワーク分析方法を再デザインするため、事前事後調査を用いて高価値な顧客の特定を行います。
最後には、意思決定プロセスでデータを活用することに成功した組織を調査していただきます。

第6講:人財と組織

なぜデジタル・トランスフォーメーションを行う上で戦略的必須事項を特定する必要があるのか、その理由と、これらの必須事項に対する組織のパフォーマンスを測定するために使用できるKPI:主要業績評価指標について明らかにしていきます。
さまざまなタッチポイントにおいて、デジタルコンテンツが顧客との対話をどのように変化させることができるのかを分析していきます。
デジタルトランスフォーメーションの組織としての遂行能力に影響を与える、組織設計の選択について学びます。
組織を調査し、デジタルトランスフォーメーションの進捗状況を把握するために使用できる新しいデータやツールを紹介します。

第3講:データの役割

データの利用目的を明らかにし、記述分析、予測分析、処方的分析について学びます。 色々なデータの情報源について学び、データの量やその形式に関する諸問題について学びます。古典的データ(サーベイ結果や取引データなど)をはじめ、比較的新しい形式のデータ(位置情報や文字、画像/動画データなど。往々にして新たな課題も併せ持つ。)についても解説します。
デジタル・トランスフォーメーションの成功の鍵となる、データ構造やデータ統合について学びます。
講の締めくくりとして、意義深い分析を行うために必要なデータ処理方法についても学びます。

第7講:テクノロジーと政策

データの収集と使用に関する規制と、そこから派生する倫理的な問題について学びます。この分野では、事件やスキャンダルが企業の評判を落とす可能性があるため、細心の注意を払う必要があります。
アルゴリズムバイアスについて学習し、アルゴリズムの判断がいつ、なぜ偏るのか、どうすれば偏らないのかを明らかにします。ソーシャルメディアのフィードから与信判断まで、私たちの日常生活にアルゴリズムが更に深く関与するようになったことで、これらの判断が不公平になるのではないかという懸念が生じています。

第4講:DXのプロセス

組織のデジタル・トランスフォーメーションを定義し、実現するためのフローチャートとして、いわゆるスイムレーンプロセスというものについて学びます。まず、スイムレーンプロセスとは何かを理解し、あなたの組織のプロセスフローの現状をスイムレーンプロセスに書き起こします。
次に、記述分析手法であるスイムレーンプロセスを使ってデジタル・トランスフォーメーションを行う機会を見つけ、その優先順位付けを行います。
量的および質的な分析手法の統合により、組織の既存のプロセスフローの根本原因を理解し、解決へ導く指標を特定できるようになるかを検証します。
デジタル化された新しい製品やサービスを生み出すためのスイムレーンプロセスフロー図の活用法を学びます。

第8講:DXの優先順位付けとDXの未来

これまでのモジュールで学んだことをまとめ、自社の全体戦略の文脈ではどのように活かせるか考えます。これには、社内のデジタルトランスフォーメーションの機会に関するポートフォリオの作成と、それらの機会ごとのスイムレーンプロセスフローの作成が含まれています。
既存のデータとインフラ、およびデジタルトランスフォーメーションを進めるために必要な要件を理解するための目録を行います。
デジタルトランスフォーメーションの成功を可能に、またその可能性を確実にするために社内の人的資本と文化的コミットメントを把握します。
どのようにすれば革新的でデジタルに変換された製品やサービスのコンセプトを生み出すことができるかを考察します。
コンセプトを実際に試作して検証するための実験的デザインについても再度触れる予定です。最新のトレンドを概観し、将来の展望を示して、この講の締めくくりとなります。

講師の紹介

THOMAS LEE

THOMAS LEE

カリフォルニア大学バークレー校ハース・スクール・オブ・ビジネス 特任准教授兼研究員(Operations & IT Management)

新製品の開発やイノベーションを支援するICTに関して研究を行う傍ら、教育活動に従事。
特に、ユーザーが生成したコンテンツの処理を目的とした文字認識技術やデータマイニング技術を得意とする。
研究の目標は、製品やサービスのイノベーションチャンスを発掘しそのチャンスを活かせるようにすること。
近年の研究では、市場構造の誘導を目的としてオンラインのカスタマーレビューをマイニングにより収集したり、救急医療のサービス提供プロセスを再デザインするために電子診療記録(カルテ)をマイニングしたりしている。
修士・博士(工学・MIT)。学士(政治学・スタンフォード大学)。学士(シンボリックシステム学[人工知能分野]・スタンフォード大学)。
また過去には、NISTコンピューターセキュリティ部門客員研究員、MITRE社研究員、DynCorp社にて国防高等研究計画局のインターネットプライバシー・セキュリティに関するプロジェクトの請負人などを歴任。

ZSOLT KATONA

ZSOLT KATONA

カリフォルニア大学バークレー校ハース・スクール・オブ・ビジネス 准教授

マーケティング戦略およびソーシャルメディアを専門とする。
母国ハンガリーのエトヴェシュ大学にて博士号(情報科学)を取得。その後フランスのINSEADにて博士号(マーケティング学)を取得。
主にオンラインマーケティング戦略、オンラインネットワーク、ソーシャルメディアに焦点を当てた研究を行う。
また、日々進化を遂げるインターネットの新技術をいかにして企業が活用し取り入れていくかについても研究を行っている。
研究成果は、Management Sci.、Marketing Sci.、J. Consum. Res.、J. Mark. Res.、J. Appl. Probab. など著名な学術雑誌に掲載されている。
他にも、Bloomberg Business News や U.S National Public Radio においても紹介された。
Autodesk、IBM、KeloraSystems、Singtel、Telkomsel、Vodafoneにてコンサル業務を歴任。

SAMEER SRIVASTAVA

SAMEER SRIVASTAVA

カリフォルニア大学バークレー校ハース・スクール・オブ・ビジネス 准教授兼Harold Furst Chair(経営理念・バリュー部門)

主に社会集団間の文化的関係、社会集団内の個々の認知、グループ内外で人々が形成する複雑な関係性を研究対象とする。
研究の多くは組織単位で考えられるため、コンピューターを用いて分化・認知が相互に独立・協働しながらキャリアが形成される様子を研究している。
研究成果は、 Am. J. Sociol.、Am. Sociol. Rev.、Management Sci.、Organization Sci. などの学術雑誌に掲載されている。
他にも、Fortune誌、WSJ誌、フィナンシャル・タイムズ誌等のメディアでも取り上げられた人気のMBAコース「Power and Politics in Organizations」で教鞭を執り、Berkeley-Stanford Computational Culture Labも共催する。
過去には、グローバル経営コンサルタント企業であるモニター・グループ(現モニター・デロイト) パートナーを務めた経験も。
学士・修士(数学科・ハーバード大学)。MBA(ハーバード大学)。博士(ハーバード大学)。